呪符・霊符と太上神仙鎮宅霊符とは?陰陽師が使う護符の秘密を徹底解説

清明神社内の一条戻橋 陰陽師

陰陽師の世界には、普段なじみのない独特な用語がいくつも登場します。

それぞれの言葉には意味や成り立ちがあり、その背景を知ることで、陰陽師が登場する作品をもっと楽しめるようになるでしょう。

【陰陽師の世界の独特な用語の解説】 今回は、「呪符・霊符と太上神仙鎮宅霊符」について解説します。

陰陽道の中で重要な位置を占める「呪符(じゅふ)」「霊符(れいふ)」と「太上神仙鎮宅霊符(たいじょうしんせんちんたくれいふ)」は、邪気や災厄から人を守り、幸運を呼び寄せる力があるとされています。

陰陽師たちは、古代からこれらの護符を用いて人々を守り、霊的な力を込めてきました。この記事では、呪符・霊符と太上神仙鎮宅霊符の意味や使い方について詳しく解説し、現代での活用法についても触れます。

呪符と霊符の違いとは?-それぞれの役割と歴史

呪符と霊符は共に護符としての役割を果たしますが、それぞれに異なる用途や役割があります。

呪符とは?

呪符は、特定の目的や効果を持たせるために作られた護符です。

陰陽道では、呪符に力を込めるための呪文や祈祷が施されており、使用者を特定の災厄や悪霊から守るために作られることが多いです。

呪符は、日常の様々な場面で用いられ、特定の効果を発揮するために持ち歩かれることが一般的です。

例えば、「健康祈願の呪符」や「金運を高める呪符」といったものがあり、それぞれの目的に応じて異なる内容やデザインが書き込まれます。

呪符には、術者が行う祈祷や呪文が込められており、正しく作られることで効果を発揮するとされています。

霊符とは?

霊符は、霊的な力や存在が宿るとされる符で、特定の霊的な存在に対して依り代となるものです。

霊符は、家や神棚に置くことで、家全体の安全や平和を守るために使われることが多く、長期間にわたり保護の力を発揮するために祈祷が行われます。

霊符の一例として、家族や家全体を守るための霊符や、特定の場所で安寧を保つための霊符が挙げられます。

また、霊符には、一定期間が経つと力が弱まるとされ、定期的に祈祷や清めを行うことで、その力を再び強化する必要があります。

太上神仙鎮宅霊符とは?-家の平安を祈る特別な護符

「太上神仙鎮宅霊符」は、陰陽道における特別な霊符の一つで、家の平安や繁栄を守るために用いられます。

古代からこの霊符は家宅の守護や、家庭内の悪霊を払い除ける目的で使用されてきました。

太上神仙鎮宅霊符の歴史

「太上神仙」とは、最高の神仙(しんせん)、すなわち神聖な存在を意味し、「鎮宅」とは家を鎮め、災厄や不運が入らないようにするという意味を持っています。

陰陽師たちはこの霊符に特別な祈祷を施し、家の守護霊を招き入れることで、家宅全体が清められ、邪気や災いが家に入らないようにと願ってきました。

太上神仙鎮宅霊符の作り方と使い方

太上神仙鎮宅霊符は、専門の陰陽師が特定の祝詞や祈祷を施して作成します。

紙や木に呪文や特定の文様が描かれ、霊符が持つ力を発揮するようにするため、作成には熟練の技術が必要です。

この霊符は、家の中でも神棚や家の中心的な場所に祀ることで、家全体に霊的な守護が広がるとされています。

また、特に新しい家や引っ越しの際に家の平安を願って太上神仙鎮宅霊符を置くことが推奨されています。これにより、新居に霊的な保護の力が宿り、邪悪な気が入らないよう家全体を守ります。

呪符・霊符の種類と効果-護符や祓いの力

呪符や霊符には多くの種類があり、それぞれ異なる効果が期待されます。以下は代表的な種類とその効果です。

健康祈願の呪符:体調を整え、健康を守るために使用される呪符です。持ち歩いたり、枕元に置くことで身体の安定を図ります。

金運を高める呪符:財運を向上させるために用いられます。財布に入れたり、貯蓄の場所に置くことで財運が上昇するとされています。

厄除けの霊符:家族全体の平安を守るため、家や神棚に置かれます。特に悪い運勢の影響を受けないよう、家全体に霊的なバリアが広がります。

愛情成就の呪符:恋愛や夫婦円満を祈るために使用されます。持ち歩いたり、恋人や家族に触れさせることで、愛情が深まるとされています。

呪符や霊符は、各目的に合わせて祈祷や清めの方法が異なり、正しく使用することで霊的な効果を発揮します。作成後は、呪符や霊符を汚れやすい場所から離し、定期的に清めを行うことが効果を保つために重要です。

呪符や霊符を使用する上での注意点と作成手順

呪符や霊符を使用する際には、いくつかの注意点があります。

正しい祈祷と祝詞:呪符や霊符を作成する際は、適切な祝詞や祈祷が必要です。これにより霊的な力が宿りやすくなります。

清潔な場所に保管する:呪符や霊符は霊的な力を持つため、汚れやすい場所や、日々の雑多な物が集まる場所は避け、清潔な場所に置くようにします。

定期的な清め:呪符や霊符の効果を長持ちさせるためには、定期的な清めの儀式が必要です。陰陽道では、年に一度または半年ごとに清めを行い、呪符や霊符の力を保つようにしています。

呪符や霊符は特定の祝詞や祈祷の後に作成され、目的に合わせて作られた符を持つことで、霊的な保護を受けることができます。

自分で作成する場合もありますが、効果を発揮するには専門の知識が必要であるため、専門家に依頼するのが一般的です。

現代の暮らしに取り入れる呪符と霊符

現代においても、呪符や霊符の使用は日常的な霊的保護として人気があります。

たとえば、厄除けや健康祈願の呪符をお守りとして持ち歩く人や、家庭の平和を願って霊符を神棚に祀る家庭も見られます。

また、風水や方位占いなどの影響を受けたインテリアの一部として呪符や霊符を飾ることで、幸運や平和を呼び込むことも可能です。

現代での活用法の一例

健康のお守り:健康を願う呪符を財布やバッグに入れることで、日常の健康維持に役立てます。

家族の平安:霊符を家の玄関やリビングに置き、家庭全体の安全と幸福を祈ります。

仕事運の向上:仕事運を高める呪符をデスク周りに置くことで、集中力や成功運をアップさせる手助けとなります。

このように、現代の生活に呪符や霊符を取り入れることで、霊的な安心感を得るとともに、生活全体にポジティブな影響を与えることが期待できます。

まとめ

陰陽道における「呪符」「霊符」、そして「太上神仙鎮宅霊符」は、古くから人々の平安や繁栄を祈るために使用されてきた重要な護符です。

呪符や霊符にはそれぞれ異なる役割があり、正しい祈祷や清めを行うことで、その効果を長く保つことができます。

また、太上神仙鎮宅霊符は特に家庭の守護を目的とし、家全体に霊的なバリアを張る役割を果たします。

現代でも、これらの護符を取り入れることで、日常の安心感や平安を感じる助けとなるでしょう。

ぜひ、陰陽道の知恵を生活に取り入れ、心の安らぎを得てみてはいかがでしょうか。

陰陽師が登場する作品は、小説、漫画・アニメ、テレビドラマ・映画にたくさんありますが、今回また、陰陽師の独特な用語を知ったことで、これからはいままでよりもっと作品を楽しめるようになるはずです。

次回は、「陰陽師の人形(ひとかた・ひとがた)と式神(しきがみ)-依り代と使役霊の役割を徹底解説」です。